【コラム】審判が出たら

遺産分割の調停が審判に移行し(あるいは最初から審判を申し立ててそのまま審判が進み)、審判が出された場合、どうなるのでしょうか?

まず、後述するように即時抗告という手続きがあり、これを期限内に行えば、まだ確定はしません。
一方、期限内に相続人のだれも即時抗告を行わなかった場合は、確定します。
確定した審判は債務名義になります。債務名義というのは、強制執行に必要なもので、これにより、例えば、不動産の登記などを強制的に行なえることになります。
つまり、審判に対して即時抗告が行なわれずに確定した場合は、当事者が納得していなくても、強制力をもって執行ができるようになるということです。
*ただ、執行は自動的に行われるわけではなく、別途、手続きが必要です。

一方、相続人のうちの誰かが即時抗告をすれば、審判は確定せず、高等裁判所で審理されることになります。
ただし、即時抗告は告知を受けた日から2週間以内にしないといけません。
また、即時抗告は、抗告状を原裁判所(つまり、審判をした家庭裁判所)に提出することで行ないます。高等裁判所に出すわけではないので、注意が必要です。

即時抗告が適法に行われると、高等裁判所で審理がされて、決定が下されることになります。
ただ、家庭裁判所に差し戻される場合もあります。

高等裁判所が決定をした場合には、最高裁判所に、特別抗告や許可抗告をすることができる場合があります。
ただ、特別抗告や許可抗告は理由が限定されているので、実際にはできない場合もあります。
すなわち、特別抗告は憲法違反があることを理由とする場合に限定されていますし(家事事件手続法94条第1項)、許可抗告は最高裁、大審院の判例に反する場合等法令の解釈に関する重要な事項を含む場合に限り高等裁判所の許可を得て抗告する手続きです(家事事件手続法97条)ので、どのような場合でもできるわけではありません。
 また、特別抗告、許可抗告は告知を受けてから5日以内にしないといけません。 特別抗告、許可抗告は、執行停止の効力を有しないことにも注意が必要です(ただ、申立てにより、執行停止がされることはあります)。

実際には、特別抗告、許可抗告により最高裁判所まで進む案件は全体から見れば少数だと考えられます。

このように、審判では、どこかの段階で、確定して、強制力を持った処分が可能になります。
(上記のとおり、特別抗告、許可抗告が行なわれていて確定していない段階でも強制力を持った処分ができる場合もあります)

審判は、このように、当事者が納得しなくても問題を解決できるという点で、効果的ですが、逆に言えば、自分が納得していなくても従わざるを得ないことに なるわけで、審判や、それにつながる調停を申し立てる場合には、法律に当てはめるとどういう結論になりそうなのか、よく検討してから行なう方が良いと思います。

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