【コラム】特別受益の基準時

特別受益があった場合の相続分の計算方法

特別受益があった場合、その分を持ち戻して計算するのが原則です。すなわち、相続人の誰かがもらっている分があったとしても、その分はいったん戻して計算し(遺産に含めて計算)、当該相続人はその分の遺産を先にもらっていると考えて当該相続人の法定相続分から差し引いて計算するわけです。(被相続人により「持ち戻し免除」の意思表示があった場合は持ち戻しは不要となります。なお、改正法903条4項の推定規定に注意)

評価の基準時

 特別受益が生じた時点から持ち戻しを行う前の間に価格の変動が生じていた場合、どの時点の金額で評価するかという問題が生じますが、一般に相続開始時点と解されています。不動産、株式、など価値の変動が大きいものについては、どのように評価するかによって結果がかなり変わってきますので、この点は重要です。
なお、判例では、金銭についても物価の変動を考慮することとされています。すなわち、例えば、物価の安かった時代に生計の資本としての贈与を受けていた場合、その時点の金額をそのまま用いるのではなく、相続開始時点の物価にあわせて計算をし直すということです。

調停の場合にどこまで厳密に行うかという問題はありますが、原則は上記のように相続開始時点の価値で判断することとされています。

遺産分割の基準時との違い

特別受益の計算においては、上記のように相続開始時を基準とする点が、遺産分割については遺産分割時を基準にするのと対照的です。

このため、審判に進める場合は、特別受益の主張があれば、土地等について、相続開始時と遺産分割時の2時点についての鑑定が行われるのが一般的です。すなわち、特別受益の計算と、遺産分割に用いる計算では、基準時が異なるため、それぞれの基準時についての鑑定が必要になるわけです。

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