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【コラム】配偶者居住権の新設

2020-02-26

配偶者居住権の新設

 

  1. 配偶者居住権とは?

平成30年の民法改正において、「配偶者居住権」という権利が新設されました。

「配偶者居住権」とは、被相続人(亡くなった人)の配偶者は、相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合、その建物を終身または一定期間、無償で使用・収益することができる、という権利です。(改正民法1028条)

簡単に言うと、「亡くなった人の家が、遺産分割によって配偶者以外の人の物になっても、配偶者はその家に住み続けられるよ」ということです。しかし、これは「相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合」に限られるので、別居していた夫婦には認められません。

また、「配偶者短期居住権」とは、上と同様の場合、被相続人の配偶者はその居住建物を、相続の分割が確定するまでの間、無償で使用することができる、という権利です。(改正民法1037条)

こちらは簡単に言うと、「亡くなった人の配偶者は、遺産分割協議が終わるまでの間は、今まで夫婦で住んでいた家にそのまま住んでいていいよ」ということです。

 

  1. 配偶者居住権が新設された理由

配偶者の一方が亡くなった場合、残された配偶者は、今まで居住していた建物に今後も居住することを希望する場合が多いでしょう。

しかし、改正前の民法下では、配偶者以外の人がその建物を相続した場合、配偶者は立ち退きを要求される可能性がありました。また、建物を相続してしまうとそれだけで相続分の割合を満たしてしまい、生活費にあたる財産を相続できなくなってしまう、という問題もありました。

こうした問題は、高齢化社会の進展とともに増加していくことが予測されます。

そこで今回の改正では、残された配偶者の生活を保障するための制度として、「配偶者居住権」が新設されたのです。

 

  1. 配偶者居住権の成立要件

被相続人の配偶者が、配偶者居住権を取得できるのは以下の場合です。(1028条)

  • 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき
  • 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき

ただし、被相続人が、相続開始時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合は除かれます。

 

審判により遺産分割を行うときは、以下の場合に配偶者居住権が認められます。(1029条)

  • 共同相続人間で配偶者居住権の合意があるとき
  • ①以外の場合で、配偶者が居住権の取得を希望しており、その居住建物の所有者が受ける不利益を考慮してもなお、配偶者の生活維持のために必要であると認められるとき

 

 以上の場合に、配偶者居住権が認められます。

 

  1. 配偶者居住権の効力・内容
  • 登記が必要

居住建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対して、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務があります(1031条1項)。

配偶者が、居住建物の所有者や、その他の第三者に対して「自分は配偶者だから、この家に住む権利があるんだぞ!」と主張するためには、登記をしなければならないのです。配偶者居住権の対抗要件には、民法605条(賃借権の対抗要件)が準用されます(1031条2項前段)。

また、登記をすることで、民法605条の4も準用されるので、妨害の停止請求権と妨害排除請求権も認められます。

 

  • 使用・収益について

配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用収益をしなければなりません(1032条1項)。

また、配偶者居住権は、配偶者のみに認められた特別な権利なので、他の人に譲渡・売却することはできません(1032条2項)。

 そして配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築・増築をすること、また第三者に居住建物を使用収益させることはできません(1032条3項)。

 

  • 配偶者居住権の消滅

 配偶者が、上記の用法遵守義務、善管注意義務に違反した場合には、居住建物の所有者は、配偶者に対する意思表示により配偶者居住権を消滅させることができます(1032条4項)。そして、配偶者は、配偶者居住権が消滅したときは、居住建物を返還しなければなりません。

 また、配偶者居住権の期間が満了した場合は、配偶者居住権は終了し、配偶者が死亡した場合には、配偶者居住権は消滅します(1036条)。

 

  1. おわりに

今回の民法改正の中でもとりわけ、配偶者居住権の新設は、実務に大きな影響を与えることが予想されますよね……。配偶者居住権に伴って新設された「持戻し免除の意思表示の推定規定」については、また別記事でご紹介します!

 

 

【コラム】遺産分割の流れ

2020-02-24

遺産分割は、通常、まず交渉から始まります。

この際、遺産の範囲と相続人の範囲を明らかにして、すべての遺産について、すべての相続人と協議することが重要です。相続人の一部が抜けていると合意に至っても無効になってしまうし、遺産についても抜けているものがあると無効になる場合があります。

 合意に至れば、遺産分割協議書を作成し、不動産の登記、預貯金や証券などの名義変更、などの手続きを行って遺産分割は終了します。

しかし、合意に至ることができない場合に解決しようとすれば、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。(ただ、交渉がうまくいかなくてもすぐに調停を申し立てる義務はありません。しかし、自分が申し立てなくても他の相続人が申立てを行なったら調停は始まってしまいます)

調停では合意に至れば、調停調書が作成され、これによって不動産の登記変更、預貯金や証券などの名義変更、などの手続きを行うことができます。

一方、合意に至らなければ、審判に移行します。審判を申し立てなくても、調停の不成立で自動的に審判に移行します。

審判では、当事者は主張や資料の提出ができますが、最終的に裁判所が分割方法を決定します。確定すれば強制力を持ちます。なお、審判で寄与分を認めてもらうためにはまず寄与分を定める審判の申し立てが必要です。寄与分を定める審判の申し立てには期間制限がなされることがあるので注意が必要です。

一方、送達を受けてから2週間以内に即時抗告を行なえば高等裁判所に移行します。高等裁判所では審判内容について審理がなされ、判断がなされます。

それに対しても最高裁への特別抗告や許可抗告という手続きがありますが期間制限が告知を受けてから5日間と短いのと、認められる可能性が一般的には低いことに注意が必要です。

なお、個別の案件について即時抗告、特別抗告、許可抗告の期限については裁判所に直接確認することをお勧めします。(勘違いしていると大変ですので)

このように、遺産分割については最高裁まで争われる場合もあるのですが、大半のケースでは、交渉か調停で解決しています。審判まで進むケースは比較的少数です。

いずれの段階でも、弁護士が代理人として対応することができますので、まずはご相談ください。

【コラム】子供がいない場合に遺言書を書くべき理由

2020-02-22

子供がいない場合、自分が死ねば財産は当然に配偶者に行くと思って遺言を書いていない方は珍しくありません。

しかし、法律はそれほど単純ではありません。もし、本人が死亡して、親も子もいない場合、配偶者は遺産の4分の3を相続できますが、残り4分の1は兄弟姉妹が相続することになります。もっとも、これは法定相続分の話であり、合意をすれば変更できます。また、寄与分や特別受益の主張により変更される場合もありえます。しかし、少なくとも、基本的な法定相続分は配偶者に4分の3、兄弟姉妹に4分の1、ですから、配偶者が自動的にすべてをもらうというわけではありません。

そうすると、場合によっては、普段付き合いもないような被相続人の兄弟姉妹が遺産の4分の1を相続することになってしまい、本人も配偶者も予想していなかったであろう事態となりかねません。これは、あらかじめ遺言書を書いておくことで防ぐことができます。兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言書で配偶者にすべての遺産を相続させることを定めておけば、確定的に配偶者がすべての遺産を相続することができます。

 もし、たとえ4分の1であれ兄弟姉妹が相続するとすると、配偶者から見ればその分遺産が目減りするだけではなく、被相続人名義の預貯金の引き出しに面倒な手続きが必要であったり(そもそも遺産分割を行わないと新法でも一部しか引き出せない)、不自由が生じかねません。それゆえ、遺産のすべてを配偶者に相続させる旨遺言書で定めておくことが重要です。

 このように、子供がいない場合でも兄弟姉妹がいるのであれば、死後に生じうる揉め事や不自由を避けるためには遺言書を書いておくことが望ましいといえます。

なお、遺言書は、作成の際のミスを防げることや紛失のリスクを防げることなどを考えると、公正証書遺言が良いでしょう。

当事務所でも遺言作成に関する相談を受け付けていますので、まずはご相談いただければ、と思います。

 

【コラム】遺産分割における不動産の評価方法

2020-02-21

遺産に土地や建物などの不動産がある場合には、それをいくらで評価するかという問題が発生します。

すなわち、遺産分割においては遺産の総額及び各相続人の法定相続分の計算のためには遺産である不動産の価値を明らかにする必要があり、また、具体的な分割においても不動産を承継した相続人が代償金を支払う必要があるか、あるとすればいくら支払わなくてはならないか、を決めるうえでも不動産の評価は欠かせません。特に、土地の評価が問題になりがちです。

ここで、不動産評価の具体的な方法としては、路線価を使う、不動産業者の査定を用いる、鑑定を行う、などの方法があります。

一般的には、路線価は実勢価格に比べて低めであり、一方、不動産業者の査定は高めになる傾向があるといわれています。ただ、不動産業者の査定は業者によりまちまちであり、どこまで信頼性があるかという問題はあります。

通常、遺産分割について交渉でまとまらなければ家庭裁判所での調停を行ない、それでもまとまらない場合には審判に移行しますが、審判の場合には、当事者間で評価方法について合意ができない場合、鑑定を行うこととなります。鑑定の場合、費用を当事者が支払わなくてはならない点に注意が必要です。

なお、不動産の評価を行う際に、どの時点の価格を用いるかという問題がありますが、原則として遺産分割時における価格を用いるべきであると解されています。

ただし、特別受益の評価においては、相続開始時点(つまり、被相続人が亡くなった時点)の価格で評価するという考えが一般的です。

不動産の評価も遺産分割において問題になりやすいところです。この問題で悩んでおられる方は、まずは弁護士にご相談ください。

 

【コラム】被相続人がお金を貸していた場合

2020-02-18

被相続人(亡くなった方)が生前誰かにお金を貸していた場合、相続人はどうすればよいでしょうか?

お金を返してもらう権利は債権と言い、財産の一種なので、相続の対象になります。

そして、貸付金は金額で分けて考えることができますので、可分債権となり、法定相続分に応じて当然に相続されます。したがって、法定相続分に従って各相続人が債務者に対して返還請求をすればよいということになります。あるいは、相続人のうち1名がまとめて相続するという合意も可能であると考えられます。

ただ、債権には時効があり、貸し手が死亡しても中断されるわけではなく、簡単にいえば被相続人が健在の時から通算されるので、注意が必要です。時効中断事由は、承認、裁判上の請求、などが考えられますが、被相続人がどのような債権管理をしていたのか、相続人側では把握していないことも多いので、相続したら速やかに時効関係は調査したほうが良いでしょう。

なお、相続の結果、債権者と債務者が同一になった場合には、混同といって、その限りで債権は消滅します。例えば被相続人である父が長男に500万円を貸していたとします。相続人としては長男と次男だけがいたとすると、長男と次男は250万円ずつ債権を相続しますが、しかし、長男に関しては自分が債務者でもあるので、混同により債権は消滅し、残りの250万円だけが存続するということになります。この例の場合は、父が長男に対して持っていた500万円の請求権のうち250万円を相続した次男が債務者である長男に支払いを請求できるということになります。このように相続員の中に債務者も含まれる場合は少しややこしいのでご注意ください。

【ご案内】交渉の段階でのご依頼も歓迎します

2020-02-11

遺産分割に関して、まとまらない場合は、交渉、調停、審判と進んでいきますが、交渉の段階ではまだ裁判所がかかわらないので、自分でもできると思って他の相続人との交渉を一生懸命されているケースも多いと思います。あるいは、付き合いのない親族と交渉するのも面倒と思い、さりとて裁判所に持ち込むのもなおさら負担が大きいと思って躊躇しておられる場合もあると思います。そういう場合、弁護士を代理人として選任して交渉を任せるという方法もあります。

実際のところ、可能であれば、調停に進まずに交渉で解決できる方が望ましいといえます。なぜなら、調停は原則として当事者も出席しないといけないため、時間的な負担が生じてしまうからです。この点、交渉の段階で解決できれば、弁護士のみが交渉のための電話や郵便などを行い、ご本人様は他の相続人と話さないということも可能です。それゆえ、時間的な負担が少なくて済みます。もちろん、弁護士はご依頼者様のご意向を確認しながら進めますが、ご依頼者様は相手方と直接話さなくてよくなります。

もちろん、弁護士が交渉を担当しても、まとまらない場合には、調停に進めるかどうか検討しないといけませんし、また、途中で他の相続人が調停を申し立ててくれば調停は始まってしまいます。それゆえ、必ず交渉だけで解決できると言うわけではないですが、弁護士が代理人として交渉して、調停や審判にならずに解決できるケースは珍しくありません。

当事務所は交渉の段階からのご依頼も歓迎しますので、相続のことで悩んでおられる方は、まずはご相談ください。

【コラム】相続にかかわる専門家の役割分担

2020-02-10

相続に関して、様々な専門家がかかわっており、どこに相談したらよいかわからない、という方も多いと思います。

そこで、いわゆる士業について、どの専門家が何をできるか、についてまとめてみました。

1、税理士・・・相続税など税金に関する相談や納税申告の代理

2、弁護士・・・遺産分割の交渉・調停・審判、遺留分回復請求(遺留分減殺請求)、遺言無効確認訴訟、不当利得返還請求、などの相談と、代理人としての業務

3、司法書士・・・不動産登記

以上が各専門家が行う主な業務です。

なお、弁護士は上記以外にも分野の制約なく法律相談や法律行為の代理業務ができます。

また、遺言書作成は、弁護士や司法書士等が作成のお手伝いをさせていただくことができます。

したがって、税金について相談したい場合は税理士に、相続について揉めている場合や他の相続人と自分で交渉するのが負担という場合には弁護士に、話はまとまっていて登記だけお願いしたいという場合は司法書士に、相談するのが基本だと思います。(ただ、弁護士は法律上は登記業務もできますし、税理士登録をしている弁護士もいるので、以上はあくまで一般的な話です)

また、当事務所に相続に関するご依頼を頂いた場合、必要に応じて、税理士や司法書士を紹介させていただくことができます。

【コラム】公正証書遺言作成の手順

2020-02-08

公正証書遺言作成を弁護士に依頼する場合の手順についてご説明します。

1、相談予約(メールまたは電話)

2、来訪して相談

3、委任契約書等に署名、押印

4、必要な資料を収集し、相続関係や遺産についての調査を行う

5、弁護士が内容の案を作成してご依頼者様に確認していただく

6、ご依頼者様の了承が得られたら、弁護士は公証人と文面について打ち合わせ

7、再度ご依頼者様と協議、最終的な文面を確定して公証人に連絡

8、公証役場で手続き

となります。

(一般的な流れです)

なお、8公証役場での手続き、は必ずご本人様が出席し、公証人との間で内容の確認作業を行います。また、立会人2名が必要です。立会に関しては、弁護士にご依頼の場合は、弁護士や法律事務所の事務員が行うのが一般的だと思います(弁護士や事務員は守秘義務を負うため、外部に内容が知られる心配はありません)。

公正証書遺言であれ自筆証書遺言であれ、法律上は弁護士に依頼しないでも作成することはできます。しかし、トラブルを防ぐために作成するものですので、内容をあらかじめ弁護士に精査してもらうほうが、将来的なトラブルの可能性を下げることができると考えられます。また、地主や大家さんなど不動産をお持ちの方の場合は、それらの管理に関するトラブルも含めてついでに弁護士に相談することもできます。

 遺言書作成を考えておられる方は、まずは弁護士にご相談ください。

【コラム】公正証書遺言をお勧めする理由

2020-02-05

まず、なぜ遺言書を書いた方が良いのでしょうか?

もし、遺言書がないと複数の相続人がいる場合、遺産分割を巡って対立が生じる恐れがあります。そうすると、時には数年かそれ以上の期間がかかり、相続人は交渉やら調停やら時には審判やら、で労力と場合によっては費用をかけないといけなくなってしまいます。そこで、遺言書を書いておけば、紛争が起きる確率を下げることができます。

 ここで自筆証書遺言でも良いと思われるかもしれませんが、たしかに、自筆証書遺言も正しく書かれていれば効力は同じです。しかし、自筆証書遺言には

1、形式が間違えていると無効になってしまう

2、真正に成立したものか争われるリスクが比較的高い

という問題があります。

1ですが、自筆証書遺言の作成は民法上の要式行為であるため、形式が満たされていないと無効になってしまいます。そして、民法には自筆証書遺言を書くにあたっての有効になる要件が多数定められているため、よほど気を付けて書かないと無効になるリスクがあります。

また、2、ですが、例えば、書いた時点で認知症で遺言能力がなかった、とか、別人が書いた、など、もめごとが起きやすいのです。遺言が無効であると考える相続人は、遺言無効確認訴訟という方法で争えるのですが、せっかく遺言書を作成したのに相続人間でそういう争いが起きてしまうのは残念ですよね。

その点、公正証書遺言では本人が書いたことを疑われるリスクはほとんどないでしょう。もっとも、認知症に伴う遺言能力の問題は公正証書遺言でも完全に排除できるわけではないですが、リスクは比較的低いといえます。さらに、自筆証書遺言だと紛失のリスクもありますが、公正証書遺言だとそれは考えにくいです。

そこで、公正証書遺言での遺言書の作成をお勧めします。

公正証書遺言を書く場合、どのように書いてよいかわからない場合や、弁護士(または弁護士法人)に遺言執行者を頼みたい場合には、弁護士にご相談ください。

当事務所では、遺言の相談は初回1時間まで無料です。

【コラム】遺産分割調停を弁護士に依頼するメリット

2020-02-04

遺産分割の調停をする場合、自分で申し立てることもできますが、弁護士に依頼することもできます。

また、他の相続人から遺産分割調停を申し立てられた場合も弁護士に代理人として対応を依頼することができます。

ただ、いずれの場合も、遺産分割の調停は基本的にご本人様の出席も求められます。そういう意味では、一般の裁判のように、「弁護士が行くから自分は一切期日に行かない」ということは難しいです(ただ、用事があるような場合に代理人がいれば比較的欠席しやすい面はあるでしょう)。では、それでも弁護士に依頼するメリットはどういうところでしょうか? 

1、法的に説得力のある主張をすることができる

 弁護士に依頼すれば、事実関係を法律に当てはめて主張を組み立てていくということができます。

 特別受益、寄与分、などの主張をするとしても、法的な根拠がない主張は審判では認められないし(なお、審判の場合、寄与分は別途、寄与分を定める審判を申し立てる必要があります)、そもそも、調停でも単に言いたいことを言うだけだと説得力を持ちません。つまり、「親の面倒を見た」「あの方だけ子供のころ親に優遇されていた」などと言っても、それを寄与分や特別受益の主張にしていくためには丁寧に事実関係を拾い、その中から法的に意味があるものを抽出して、主張として組み立てていく作業が必要です。例えば、「これだけの期間、こういう形で面倒を見た。その時被相続人はこういう症状だったので、もし私が面倒を見なければヘルパーさんの費用として少なくともいくらいくらがかかった。だから、そのいくらいくらが寄与分として認められるべき」とか、「相続人誰々は昭和何年4月に私立〇〇大学に入って4年後に〇〇学部を卒業した。残りの相続人は全員高等学校を出て働いている。それうえ、学費等が特別受益というべきである。この当時私立〇〇大学〇〇学部の入学金及び4年間の学費の合計はいくらいくらだったので、いくらいくらが特別受益である」というように特別受益になる具体的事実と根拠を書かないと説得力が出てきません。これは一例であり、時には、それが特別受益や寄与分に当たるか、判例を引いて主張したほうが良い場合もあります。

 弁護士でなければ、そのような作業を行うことは難しいでしょう。

2、裁判所に提出する準備書面を弁護士が代わりに作成することができる

 調停でも準備書面を提出して双方の主張を展開しあうことは珍しくありません。特に複雑な案件では重要です。書面の作成は、弁護士が得意とするところです。弁護士を代理人として選任しているケースでは、弁護士が代理人として書面を作成します。特別受益、寄与分、その他の主張を法的観点からまとめて主張し、かつ、相手方からの主張に関しては適宜反論をしていきます。このような書面作成は弁護士にお任せください。本人が直接行い、その状況に照らして問題のある書面を出してしまうと紛糾する原因になりかねません。

3、相手方本人とのやり取りの必要がなくなります

 弁護士が代理人として間に入ると、相手方本人との直接のやり取りの必要がなくなります。 もっとも、調停が行われれば、調停の場で直接会うことは基本的になく、調停室には交互に入る形になりますが、仮に調停外でもやり取りをするとすれば、代理人が対応します。

4、調停当日は弁護士が横にいてサポートします

 調停の日に調停委員が相手方に味方しているように感じるとか、調停委員に強く言われて反論できなかったとか、そういう話はよく聞きます。その点、弁護士にご依頼頂ければ、調停の期日に弁護士が同席して、ご依頼者様のために代わりに発言したり、細くしたりして、ご依頼者様の力になります。

5、必要な書類は弁護士が集めます

 調停を提起する場合に必要な書類(戸籍謄本など)は弁護士が代理人として集めます。

*書類の種類によってはご本人様にお願いする場合があります。

6、期日間に法律相談に応じます

 弁護士にご依頼の場合、調停の期日の間に不安なことが出てきたら、繰り返し相談することができます。相手方がこういう主張をしているがどうすればよいか、とか、こういう主張もしたいができるか、とか(ただ、主張を出すのはできるだけ早い方が良いですが)、今後の展開はどうなるか、とか、もし審判になったら自分の希望は叶うのか、代償金はどれくらい払わないといけなくなりそうか、など不安なことはたくさん出てくると思います。そういう不安を抱えたまま次の期日を迎えると、もし弁護士がいなければつい不安になって不利益な案に合意してしまうかもしれません。その点、弁護士がいれば、期日間に打ち合わせをすることで、不安を解消できます。もちろん、前述のとおり、当日も同席させていただきます。

 

このように、遺産分割調停で弁護士を代理人とすることには多くのメリットがあります。

ぜひ、遺産分割調停については、弁護士にご相談ください。

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