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【コラム】被相続人が人にお金を貸していた時

2020-03-04

被相続人(亡くなった方)が生前人にお金を貸していたということは珍しくありません。知人に貸していた場合もあれば、親せきに貸していたということもありますが、貸主が亡くなった場合、その債権はどうなるのでしょうか? 実のところ、被相続人が亡くなったら、債権は相続人に受け継がれます。もし、相続人が1名しかいない場合は、その債権はそのまま受け継がれます。例えば、1000万円を知り合いAさんに貸していた人が亡くなったとして、その方の配偶者はすでに亡くなっていて、子が1名だけいた、という場合、遺言書がなければ、その子が遺産をすべて受け継ぐので、1000万円の債権もそのまま受け継ぎます。したがって、その子は借主であるAさんに対して1000万の返還を請求できます(ここではわかりやすくするために、利息等については発生しないと仮定します)。

 では、上記のケースで子が2名の場合はどうでしょうか? この場合、2名の子の法定相続分はそれぞれ2分の1なので、それぞれが500万円ずつを相続して、それぞれがその額をAさんに請求できます。このように、貸金債権は可分債権なので、法定相続分に応じて相続され、その範囲で借主に対して返還を請求できます。

 さらに、異なるケースを考えてみます。先ほどは被相続人が第三者に貸していた場合でしたが、もし、借り手が相続人であったらどうでしょうか? 先ほどの、配偶者はすでに亡くなっていて相続人としては子が2名のケースを考えます。そして、借りていたのは子2名のうちの1名の場合、どうなるでしょうか? その場合、その子はたしかに1000万円の半分の500万円の債権を承継します。しかし、それは自分自身に対する債権です。このような場合、民法では混同という現象が起きて、債権は消滅します。そして、もう1名の相続人が承継した500万円については、消滅しないので、これを返済する義務は残ります。

 以上のように、貸金債権は法定相続分に従って相続人に承継されるので、被相続人が誰かにお金を貸していた、という場合は、相続人の方から弁護士に相談する等して回収を図ればよいと考えられます。ただし、その場合、法定相続分の範囲でのみ請求が可能ということになります。もっとも、可分債権であっても実際は遺産分割協議の対象とすることはできるので、特定の相続人に債権を集中することはできなくはないです。ただし、その債権を確実に回収できるとは限りませんから、他の資産と引き換えにそのような分割をすると、結果として不利益を受けるリスクもあります。すなわち、例えば、2名の相続人のうち1名は貸付金を相続し、もう1名は不動産を相続する、というような遺産分割をしてしまうと、仮に名目上の価値が同じでも、不動産と比べて貸付債権は回収可能性の点でリスクがありますから、その貸付金の存在が確実で、かつ、貸付先がよほど経済的に信頼できる場合はともかくとして、一般的にはリスクの高い方法だということができます。それゆえ、貸付金はそれぞれの相続人が相続して各々法定相続分の範囲で請求する法が相続人間の公平やリスクの分散という点では望ましいといえるでしょう。

  なお、貸付金に関しても、時効に注意が必要です。時効は被相続人の生前から通算されますので、相続時点では時効が目前というケースもあります。

 被相続人が貸していたお金の回収に関しても、弁護士にご相談いただければ、と思います。当事務所では、相続も債権回収も扱っていますので、まずはお問い合わせください。

【コラム】弁護士か税理士か司法書士か

2020-03-01

相続に関する問題に直面した時、弁護士、税理士、司法書士のいずれに相談したらよいかわからないという方も多いと思います。そこで、今日はどのような場合にどの専門家に相談するのがお勧めかをまとめてみました。

弁護士が主に行うもの

遺産分割の交渉、調停、審判、抗告審など遺産分割に関する事項

遺留分減殺請求(改正法における遺留分侵害額請求)

遺言無効確認訴訟(遺言の有効性を争う裁判)

不当利得返還請求(使い込みの返還請求など)

司法書士が主に行うもの

登記

税理士が主に行うもの

税申告

 

です。遺言書作成は弁護士も司法書士も可能です。

また、遺産分割交渉の後不動産の登記を変更する、というような場合は、まず弁護士に依頼すると、交渉がまとまった後、司法書士を紹介してくれることが多いと思います(当事務所も登記に関しては司法書士を紹介するようにしています)。何か揉め事があるときや、交渉が必要な場合はまず弁護士に相談すると良いでしょう。一方、すでに話がまとまっていて後は登記だけ、という場合は司法書士に相談すると良いと思います。また、相続税が発生する場合、あるいは発生するかわからない場合は税理士に相談すると良いでしょう。相続税は被相続人の死亡から10か月以内に申告、納付しないといけないので、税理士への相談は急ぐべきだと思います。急ぐ必要があるという点では、遺留分減殺(侵害額)請求も同様で、死亡の事実及び遺留分が侵害された事実を知ってから1年で時効になるので、請求することで時効完成を阻止する必要があります(遺留分の請求は形成権と考えられているので、時効中断とは少し異なりますが、請求により時効の完成阻止が可能です)。それゆえ、遺留分減殺(侵害額)請求をお考えの場合は急ぎ弁護士にご相談することが望ましいといえます。

 以上のように、相続には、弁護士、司法書士、税理士が関与する可能性があり、それぞれ可能な分野、得意分野、が異なります。なお、自分の場合弁護士に相談するのが適切かどうかわからない、という場合は、まずはお電話か電子メールでお問い合わせいただければ、と思います。

 

【コラム】いわゆる遺産の使い込みに関して

2020-02-28

時々受ける相談として、相続人の1名が遺産を使い込んでいた、というものがあります。これについては、被相続人が生存中と死亡後に分けて考える必要があります。まず、死亡後については、そもそも遺産分割の対象となるのは死亡時における遺産なので、死亡後に無断で使われた分は遺産に戻す必要があります。また、もし返還を拒まれた場合は、計算上は戻して(残っているものとして)遺産額を出し、それを基に各人の法定相続分を出したうえで、使い込まれた分がその相続人が本来もらうべき額を超えていなければ、もらったものとして差し引いて計算するという方法が考えられます(改正法では他の相続人全員が合意すればそういう扱いができるようになっています)。

 一方、生存中はケースによります。すなわち、被相続人に無断で使い込みがされたのであれば、その額は返還請求ができます。ただし、返還請求をするべきなのは被相続人であるところ、すでに亡くなっているので、返還請求権は各相続人に法定相続分に応じて相続されます。それゆえ、各相続人は自己の法定相続人に相当する額の返還請求権を相続して行使できることになります。この場合は、返還請求ですから、裁判所を使う場合は家庭裁判所での遺産分割調停ではなく、地方裁判所や簡易裁判所での不当利得返還請求事件(一般民事訴訟)になると考えられます。一方、被相続人の意思で特定の相続人に贈与等がなされていた時は特別受益の問題になります。これは厳密には使い込みとは言えないと思いますが、他の相続人から見れば公平を欠くと感じる場合が多いと思います。ただ、特別受益であるといえるためには生計の資本等として贈与されたことが必要あり、また、一般的な扶養の範囲を超えた場合だけ特別受益となります。特別受益であると認められる場合には、その相続人は先にその分の遺産をもらったものとして計算するので、その相続人の相続できる額は減り、他の相続人の分が増えることになります。ただし、被相続人が持ち戻し免除の意思を示していた場合は特別受益は考慮に入れずに計算することになります。持ち戻し免除は書面ではなくてもよく、黙示による意思表示が認められる場合もあるので、注意が必要です。

 いずれの場合でも、特定の相続人によって使われた金額の確認が重要ですが、これについては、おもに、被相続人名義の通帳を調べる、銀行に被相続人名義口座の履歴を出してもらう、などの方法で調査します。また、被相続人の生前に無断で使われたという主張をしたい場合には、被相続人口座から直接特定の相続人の口座に入金があればわかりやすいのですが、単に引き出されていた場合には、そのお金が本当に問題の相続人に渡ったのか、という点の立証も重要になります。その場合、通帳や銀行印の管理状況も重要になってきます。さらに、被相続人の判断力が低下していたことを示す資料(例えばカルテなど)があると説得力を持つ場合があります。

 以上のように、特定の相続人が被相続人の資産を使っていた場合でも、時期と本人の同意の有無によってとるべき手段と予測される結果が変わってくるので、注意が必要です。

 当事務所でも上記のような相談を受けることはよくあります。個別の案件については、まずはご相談ください。相続の相談は立川、所沢、いずれにおいても可能です。

【コラム】配偶者居住権の新設

2020-02-26

配偶者居住権の新設

 

  1. 配偶者居住権とは?

平成30年の民法改正において、「配偶者居住権」という権利が新設されました。

「配偶者居住権」とは、被相続人(亡くなった人)の配偶者は、相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合、その建物を終身または一定期間、無償で使用・収益することができる、という権利です。(改正民法1028条)

簡単に言うと、「亡くなった人の家が、遺産分割によって配偶者以外の人の物になっても、配偶者はその家に住み続けられるよ」ということです。しかし、これは「相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合」に限られるので、別居していた夫婦には認められません。

また、「配偶者短期居住権」とは、上と同様の場合、被相続人の配偶者はその居住建物を、相続の分割が確定するまでの間、無償で使用することができる、という権利です。(改正民法1037条)

こちらは簡単に言うと、「亡くなった人の配偶者は、遺産分割協議が終わるまでの間は、今まで夫婦で住んでいた家にそのまま住んでいていいよ」ということです。

 

  1. 配偶者居住権が新設された理由

配偶者の一方が亡くなった場合、残された配偶者は、今まで居住していた建物に今後も居住することを希望する場合が多いでしょう。

しかし、改正前の民法下では、配偶者以外の人がその建物を相続した場合、配偶者は立ち退きを要求される可能性がありました。また、建物を相続してしまうとそれだけで相続分の割合を満たしてしまい、生活費にあたる財産を相続できなくなってしまう、という問題もありました。

こうした問題は、高齢化社会の進展とともに増加していくことが予測されます。

そこで今回の改正では、残された配偶者の生活を保障するための制度として、「配偶者居住権」が新設されたのです。

 

  1. 配偶者居住権の成立要件

被相続人の配偶者が、配偶者居住権を取得できるのは以下の場合です。(1028条)

  • 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき
  • 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき

ただし、被相続人が、相続開始時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合は除かれます。

 

審判により遺産分割を行うときは、以下の場合に配偶者居住権が認められます。(1029条)

  • 共同相続人間で配偶者居住権の合意があるとき
  • ①以外の場合で、配偶者が居住権の取得を希望しており、その居住建物の所有者が受ける不利益を考慮してもなお、配偶者の生活維持のために必要であると認められるとき

 

 以上の場合に、配偶者居住権が認められます。

 

  1. 配偶者居住権の効力・内容
  • 登記が必要

居住建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対して、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務があります(1031条1項)。

配偶者が、居住建物の所有者や、その他の第三者に対して「自分は配偶者だから、この家に住む権利があるんだぞ!」と主張するためには、登記をしなければならないのです。配偶者居住権の対抗要件には、民法605条(賃借権の対抗要件)が準用されます(1031条2項前段)。

また、登記をすることで、民法605条の4も準用されるので、妨害の停止請求権と妨害排除請求権も認められます。

 

  • 使用・収益について

配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用収益をしなければなりません(1032条1項)。

また、配偶者居住権は、配偶者のみに認められた特別な権利なので、他の人に譲渡・売却することはできません(1032条2項)。

 そして配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築・増築をすること、また第三者に居住建物を使用収益させることはできません(1032条3項)。

 

  • 配偶者居住権の消滅

 配偶者が、上記の用法遵守義務、善管注意義務に違反した場合には、居住建物の所有者は、配偶者に対する意思表示により配偶者居住権を消滅させることができます(1032条4項)。そして、配偶者は、配偶者居住権が消滅したときは、居住建物を返還しなければなりません。

 また、配偶者居住権の期間が満了した場合は、配偶者居住権は終了し、配偶者が死亡した場合には、配偶者居住権は消滅します(1036条)。

 

  1. おわりに

今回の民法改正の中でもとりわけ、配偶者居住権の新設は、実務に大きな影響を与えることが予想されますよね……。配偶者居住権に伴って新設された「持戻し免除の意思表示の推定規定」については、また別記事でご紹介します!

 

 

【コラム】被相続人がお金を貸していた場合についての簡単な解説

2020-02-18

被相続人(亡くなった方)が生前誰かにお金を貸していた場合、相続人はどうすればよいでしょうか?

お金を返してもらう権利は債権と言い、財産の一種なので、相続の対象になります。

そして、貸付金は金額で分けて考えることができますので、可分債権となり、法定相続分に応じて当然に相続されます。したがって、法定相続分に従って各相続人が債務者に対して返還請求をすればよいということになります。あるいは、相続人のうち1名がまとめて相続するという合意も可能であると考えられます。

ただ、債権には時効があり、貸し手が死亡しても中断されるわけではなく、簡単にいえば被相続人が健在の時から通算されるので、注意が必要です。時効中断事由は、承認、裁判上の請求、などが考えられますが、被相続人がどのような債権管理をしていたのか、相続人側では把握していないことも多いので、相続したら速やかに時効関係は調査したほうが良いでしょう。

なお、相続の結果、債権者と債務者が同一になった場合には、混同といって、その限りで債権は消滅します。例えば被相続人である父が長男に500万円を貸していたとします。相続人としては長男と次男だけがいたとすると、長男と次男は250万円ずつ債権を相続しますが、しかし、長男に関しては自分が債務者でもあるので、混同により債権は消滅し、残りの250万円だけが存続するということになります。この例の場合は、父が長男に対して持っていた500万円の請求権のうち250万円を相続した次男が債務者である長男に支払いを請求できるということになります。このように相続員の中に債務者も含まれる場合は少しややこしいのでご注意ください。

【コラム】相続にかかわる専門家の役割分担

2020-02-10

相続に関して、様々な専門家がかかわっており、どこに相談したらよいかわからない、という方も多いと思います。

そこで、いわゆる士業について、どの専門家が何をできるか、についてまとめてみました。

1、税理士・・・相続税など税金に関する相談や納税申告の代理

2、弁護士・・・遺産分割の交渉・調停・審判、遺留分回復請求(遺留分減殺請求)、遺言無効確認訴訟、不当利得返還請求、などの相談と、代理人としての業務

3、司法書士・・・不動産登記

以上が各専門家が行う主な業務です。

なお、弁護士は上記以外にも分野の制約なく法律相談や法律行為の代理業務ができます。

また、遺言書作成は、弁護士や司法書士等が作成のお手伝いをさせていただくことができます。

したがって、税金について相談したい場合は税理士に、相続について揉めている場合や他の相続人と自分で交渉するのが負担という場合には弁護士に、話はまとまっていて登記だけお願いしたいという場合は司法書士に、相談するのが基本だと思います。(ただ、弁護士は法律上は登記業務もできますし、税理士登録をしている弁護士もいるので、以上はあくまで一般的な話です)

また、当事務所に相続に関するご依頼を頂いた場合、必要に応じて、税理士や司法書士を紹介させていただくことができます。

【ご案内】相続に関する無料相談について(立川、所沢)

2020-01-27

多摩中央法律事務所では相続の相談は初回1時間に限り無料とさせていただいております。

立川、所沢、いずれでも1時間の無料相談が可能です。

遺産分割、遺留分減殺、遺言書作成、不当利得返還(親族による被相続人財産の使い込み)など、相続に関する相談ならいずれも1時間無料です。

なお、1時間を超えた場合や、2回目以降のご相談は30分5500円(税込)となります。

もちろん、案件をご依頼の場合は、それ以後の打ち合わせには相談料はかかりません。

*例えば2回目のご相談でご依頼の場合、2回目のご相談料も無料となります。

また、その後当該案件を進めていくために必要な打ち合わせの時間にも相談料はかかりません。

(なお、案件をご依頼の場合は別途着手金等の費用が掛かります)

ご相談ご希望の方は、まずはお電話か電子メールでご予約の上、立川または所沢の事務所まで、ご来訪ください。

立川の本店は立川駅北口から徒歩8分、所沢支店は西武所沢駅から徒歩6分となっております。

 

【コラム】不当利得か、特別受益か

2020-01-26

よく、被相続人(亡くなった方)にはもっと多くの預貯金があったはずなのに少ししか残っていないのはおかしい、これは同居していた息子/娘が使ってしまったか、自分の口座に移したに違いない、という主張を聞きます。このような場合、これを返してもらって遺産分割の対象とすることはできるでしょうか?

実のところ、被相続人が納得して渡していたか無断で出金ないし送金されたかにより異なります。

被相続人が納得していた場合は、民法上は贈与となり、息子/娘が受けとったこと自体は法律上の原因がある(簡単に言えばそれ自体は民法上問題がない)ことになります。

この場合、その息子/娘だけが先に遺産をもらったのと同じなので、特別受益として遺産分割の際に考慮するのが基本です。つまり、その分はまだ遺産として存在し、ただ、その中からその相続人はすでにその額をもらったとして計算するわけです。場合によっては、すでにもらっているがために相続分がゼロになることもあります。

ただ、持ち戻し免除、といって、仮に、被相続人が戻さなくても良いという意思を示していたことが認定されれば、その分の考慮もされずに、もらったまま、ということになります。また、受け取ったのが相続人ではない場合には原則として特別受益は適用されません(受け取ったのが相続人の家族の場合で相続人自身が贈与を受けたのと同視できるような場合には適用される可能性があります)。

一方、被相続人に無断で引き出しや送金がされていた場合には、自分宛てに出金や送金をして金銭を得た相続人は、民法上の原因がなく不当に利得を得たことになります。

それゆえ、不当利得返還請求ができます。ただ、この場合、それで損害を受けたのは被相続人ですが、被相続人はもう亡くなっているため、権利は相続人が法定相続分に応じて取得します。不当利得返還請求権は可分債権と考えられるからです。そうすると、相続人は自分の法定相続分に当たる分だけを行使できることになります。例えば1000万円が不正に引き出されて相続人Aの口座に入金されていた場合、相続人Bは自身の法定相続分に対応する部分だけを行使できることになり、もし被相続人に死亡時点で配偶者がおらず子はA、B、C、D,の四人の場合、Bは自分の法定相続分である4分の1ということで、250万円の返還をAに対して請求できます。(CとDが同じ請求をするかは、C,D,それぞれの意向によります)

このように、同居親族が使ってしまったといっても、被相続人がそれを認めていたか、無断で行われたか、で結果は変わってきます。

このような問題についても、まずは弁護士にご相談ください。

【コラム】相続の期限?

2020-01-25

相続に期限があるのでしょうか?

実のところ、遺産分割に関しては、いつまでにやらないといけないという法律上の期限はありません。それゆえ、例えば、被相続人が亡くなって10年、20年たってから遺産分割の調停を申し立てることもかのうです。(もっとも、相続人の一人が申し立てをすればそれにより調停は始まるので、自分は10年、20年先でも良いと思っていても必ずそれまで待てるというわけではないです)

 

では、相続に関して一切期限を意識しないで良いのでしょうか?

実は、手続きの種類によっては期限があります。

おもなものとしては、

1、相続税の納付は被相続人の死亡から10か月以内。

2、相続放棄や限定承認をする場合は、被相続人の死亡から3か月以内。

3、遺留分減殺請求ができるのは被相続人の死亡と自分の遺留分が侵害された事実を知ってから1年以内(時効)、かつ、被相続人の死亡から10年以内(除斥期間)

となっています。1については、遺産分割が終わっていなくても上記期間内に納税をすることが必要です。小規模宅地特例などの要件を満たすかどうかが未確定の場合には税務署に届けを出して一定期間内に解決することで適用されればそれによる減税分は還付を受けることができますが、とりあえず期間内に納税しないといけません。(また、小規模宅地特例の適用を受けるための延長期間は原則3年です。その後の延長は税務署の承認が必要でその後の更正請求の期間にも制限があります) 税に関しては弁護士は専門ではないので、税理士にご相談ください。

2については、3か月を過ぎていなくても単純承認にあたる行為(遺産の処分など)をしてしまうと相続放棄・限定承認ができなくなるので注意が必要です。一方、資産がない場合において、死亡を知ってから3か月を経過していても、これまで知りえなかった債務が発覚した場合(例えば突然被相続人名義の借り入れについて金融会社から連絡が来た場合など)には放棄できる可能性があります。ただ、その場合でもその時点から3か月以内に行わないといけません。

3については、遺留分減殺請求の時効は短いので、遺留分減殺請求を考えている方は速やかに弁護士にご相談ください。

以上のように、遺産分割そのものには期限はありませんが、手続きの種類によっては注意が必要なのと、特に1は遺産分割ともかかわるので遺産額が多くて小規模宅地特例適用による減税効果を得たいと思っている方は注意が必要です。

また、一般的に遺産分割を先延ばしにすれば、その間に二次相続が起きるなどして、相続人の数が増えてしまい、話がまとまりにくくなる、分割までは不動産など大半の資産が共有になり賃貸や処分に制約がある、など経済的な面でもあまり望ましいとは言えません。可能であれば、遺産分割は早めに進めたほうが良いでしょう。

 

 

【コラム】相続放棄したと思っていたのにできていなかった?

2020-01-09

相続といえば、遺言や遺産分割をイメージされる方が多いかもしれませんが、他にもよくある相談として、代表的なものが相続放棄です。

 多いのは、しばらく連絡をとっていなかったご家族が亡くなり、亡くなったご家族に代わって、大家さんや消費者金融などから、債務の負担を迫られている、というケースです。

 今回は、相続放棄を中心に、相続発生後の手続についてお話ししたいと思います。

 

 相続が発生したときに、相続人(積極財産や債務を承継する側)が取り得る選択肢は、①単純承認(積極財産も消極財産もすべて承継する)、②限定承認(積極財産の範囲で消極財産も承継する)、③相続放棄(積極財産も消極財産もすべて放棄する)の3つです。積極財産というのは、不動産や預金などであり、消極財産というのは借金など、いわばマイナスの財産です。借金は財産のうちに入らないと思っている方が多数いらっしゃるのですが、法律上はマイナスの財産として問題となります。

 債務がない、あるいは、債務があってもそれを上回る資産があれば、あまり問題ないのですが、債務だけがある、資産の額を債務が上回っている、あるいは資産があっても、遠隔地の不動産などであるため、相続したくない、というケースがあります。これらの場合に、考えられるのが相続放棄です。プラスの財産を放棄する代わりに、マイナス財産も一切負わないことになります。そのため、上記のような例のケースには、相続放棄を検討されるのが望ましいと思います。

 問題は、どのように相続放棄を進めるか、ということです。相続するかどうかなんで自由に決めればいいだろうとお思いになるかもしれませんし、実際、創造放棄をするかどうかは、完全に個人の自由です。破産手続(管財事件)などにも影響しません。

 しかし、手続上は、裁判所を利用し、相続放棄の申述を受理してもらう必要があります。つまり、個人で、「自分はお父さんの財産をもらうつもりはないから、放棄でいいや」と考えただけでは、相続放棄にはならないのです。他の相続人に、「自分は要らないから」と伝えただけでも認められません。裁判所に対し、しっかり申述書や必要書類を送付し、裁判所に認められて初めて相続放棄が完了したことになります。

 というのも、単純承認といって、既に一部相続財産を使ってしまっているような場合には、法律上相続放棄が認められないため、そういった事情があるかどうか、裁判所の方で一応確認をする必要があるからです。

 さらに、相続放棄は、基本的に相続が発生し、自身が相続人であることを知ってから3か月以内に行う必要があります。これを過ぎてしまうと、基本的に相続放棄はできません。

 そのため、「自分は放棄したからいいや」と思って放置しておくと、気づかぬ間に3か月が経過し、相続放棄をすることができなくなっていた、というケースがあり得るのです。

 相続放棄自体は、そこまで複雑な手続ではありませんが、上記のように、裁判所でしっかりとした手続を踏む必要がありますし、場合によっては、単純承認にあたると判断され、相続放棄ができない場合もあります。

 ご親族が亡くなられた方は、気が落ち込み、それどころではないと思われるかもしれませんが、最初の3か月の対応で、その後の行動が大きく変わってくることになります。相続が発生をしましたら、ぜひ弁護士にご相談ください。

 

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