遺産分割

複数の相続人がいる場合の遺産の状態の原則

被相続人が死亡すると、相続人が複数存在する場合、遺産は共有の状態になります。例えば、不動産や自動車、株式、などは相続人全員の共有になり、その持分割合は法定相続分によることになります。それゆえ、例えば、不動産の管理においては、民法上の共有の規定に基づいて過半数の持ち分で決定することになります(民法252条本文)。

当然分割について

ただし、性質上当然に分割されると解されるものを除きます。例えば、貸付金は性質上当然に分割されると解されているため、被相続人の死亡と同時に法定相続分に従って当然に分割されると解されます。このような債権を可分債権と言います。ただし、可分債権であっても相続人全員の同意で遺産分割協議の対象とすることは可能であると解されています。

 なお、以前は預貯金も可分債権と考えられていましたが、最高裁平成28年12月19日判決はこれを否定し、預貯金は当然には分割されない旨判断しました。したがって、現在は預貯金も遺産分割協議をせずに自分の持ち分だけを引き出すことはできないことになります。ただし、自己の法定相続分に相当する額の3分の1までで、かつ、一金融機関150万円までであれば、単独で(他の相続人の合意なく)引き出すことを認める制度ができたので、この制度を利用すれば一部であれば引き出すことができます(民法909条の2)。

遺産分割の持つ意味

 さて、以上のように、複数の相続人がいる場合、相続開始(被相続人の死亡)と同時に共有になるのですが、しかし、これは不動産の管理においても制約があり、また、株式など資産の管理や売買においても制約があるために、何かと不便です。そこで、それぞれの相続人がどの遺産をもらうのか、を決めることが望ましいといえます。その行為を遺産分割と言います。例えば、様々な資産を持つ高齢者が亡くなった時に、長男Aさんは本家の土地と建物、次男Bさんは預貯金と賃貸用駐車場、長女Cさんは預貯金のうち2500万円、次女Dさんは預貯金のうち2000万円と自動車、というように具体的に分ける作業です。(遺産分割協議書に書く場合には土地は地番で特定するなど記載方法に決まりがあります。あくまで上記はわかりやすく一般的な言葉で説明しています) このように具体的に分けることで、共有という状態から、個々人の単独所有に変わります。(なお、敢えて一部を共有で残す場合もあります)

 もし、話し合いができればよいのですが、全員の一致が必要なため、合意に至らない場合もあります。その場合は、家庭裁判所に調停を申し立てるのが一般的です(最初から審判を申し立てることもできなくはありませんが、調停に付される可能性が高いです)。

遺産分割協議についての詳細は以下のページをご覧ください。 遺産分割協議について

 

 

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