遺言書を作成した方が良いケース

(あくまで典型的なケースですので、ご参考にお願いいたします。)

 

(1:子が多数いる場合)

子が多ければ争いになりやすいので、一般的に考えて遺言を書くと良いでしょう。

今は、性別を問わず相続権は平等で、「嫁に行った」としても、相続権はなくなりません。それゆえ、姓が同じかどうか、同じ戸籍か、同居しているか、などにかかわらず、子は相続人となります(廃除されているような特別なケースは除く)。また、普段は付き合いのなかった子が相続になると急に権利を主張し始めるのはよくあることです。

したがって、子が多い場合は、遺言を書き、紛争を防ぐことが望ましいと言えます。

 

(2:複数の子がいて自宅がある場合)

子が複数いると、住宅の承継を巡って揉める可能性があります。

住宅は預貯金のように割るということが難しいので、紛争が起きるリスクが高いのです。それゆえ、住宅を子のうち一人に渡したい場合も、遺言を書くことがお勧めです。

※相続税増税対策にも遺言の活用を

平成27年1月に亡くなったケースより、相続税が大幅に増税されました。基礎控除(基礎的な非課税枠)が縮小され、富裕層以外も課税対象になる可能性があります。相続税は、住宅にもかかりうるので、要注意です。

ただ、小規模宅地特例などの軽減措置があるのですが、それを使うためにはいくつかの要件を満たさなくてはいけません。

例えば、同居している子がいても、相続人どうしで話がまとまらずにその子が住宅を承継しなければ小規模宅地特例を使えなくなってしまい、そうすると、高い相続税を払わないといけなくなる恐れがあります(なお、申告期限において分割協議が出来ていない場合、申告時に一定の手続きを踏むことで後から特例の適用を受けられる場合もありますが、それにも要件があります)。

このような問題を避けるためには、あらかじめ、遺言を書いておき、小規模宅地特例の適用が受けられるように準備することが望ましいと言えます(ただ、相続する側の要件もあるので、遺言を書くだけでは不十分な場合があります)。

当事務所で遺言を作成する場合も、税務に関する部分は税理士を紹介させて頂くことが可能ですので、ご安心ください。

*小規模宅地特例のメリットがあるのは、基礎控除を超える遺産がある場合です。遺産全てを合計しても基礎控除より少ない場合は、もともと課税されないので、メリットはありません。 

 

(3:事業をしている場合)

事業用資産をだれに渡すかは事業承継という観点で重要です。個人事業なら、事業に使っている土地や建物、備品、事業資金、などをだれに相続させるかということが重要ですし、法人化しているなら、株式をだれに承継させるかにより経営権が誰に移るかが変わってきます。

また、事業用資産は相続税の関係で高く評価されがちなので、節税、納税資金も考えて、相続人を決めることが必要です。

 

(4:配偶者はいるが、子がおらず、兄弟姉妹がいる場合)

この場合、遺言がなければ、兄弟姉妹が存命なら兄弟姉妹に遺産の1/4が相続されます(亡くなっていた場合は一代に限り代襲相続)。

そうすると、配偶者に遺産の全部を残すことが出来なくなってしまいます(他の相続人が放棄、ないし、合意すれば別ですが)。実際には家計が別である兄弟姉妹には渡したくない、配偶者にだけ残したい、という場合も多いと思います。そのためには、遺言を書いておいた方がよいと言えます。

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